(第13報)発災から1年1ヶ月:令和6年能登半島地震及び令和6年奥能登豪雨に関する状況について
2024年1月1日に発生した石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震から1年1ヶ月が経過しました。
JVOADは、石川県「コミュニティ再建事業」において、甚大な被害を受けた奥能登地域6市町の仮設住宅や石川県みなし仮設住宅にお住まいの方々を対象に、自治体等からの依頼を受け、仮設住宅や被災地で必要な取り組みを行っているNPO等の団体に事業を委託しています。これまでに12団体がサロン活動や相談会、街づくりワークショップなどを開催しました。
JVOADの石川県への常駐は1月から出張ベースとなり、地域の絆を深め、支え合い安心して暮らせる地域づくりを目指す「コミュニティ再建事業」や、現地の課題解決に向けた取り組みの推進、情報共有会議への参加を通じた情報共有など、現地支援活動を継続的にサポートしています。
この間、大阪や東京の児童養護施設を支援し、能登半島地震の際には企業のキッチンカーと一緒に穴水町の児童養護施設を訪問し、炊き出しや子どもたちとの交流を行ってきた「みらいこども財団」が、県庁内のJVOAD拠点を訪問されました。今回のJVOAD拠点訪問では、震災当初から現在までの支援状況、各団体の連携、今後の支援について意見交換を行いました。

みらいこども財団が来所
《 概況 》
■ 被害状況:地震
避難者数:1次避難所8人、広域避難所6人
被害棟数:住家被害107,975棟(全壊6,093棟、半壊18,415棟、一部破損83,456棟)
〇被害等の状況について(第186報)【2025年1月28日14時00分現在】
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/documents/higaihou_186_0128_1400.pdf
■ 被害状況:豪雨
避難者数:1次避難所118人、2次避難所1カ所6人
被害棟数:住家被害1,699棟(全壊82棟、半壊597棟、一部破損125棟、床上52棟、床下843棟)
〇被害等の状況について(第41報)【2025年1月28日14時00分現在】
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/documents/higaihou_41_1.pdf
■ 避難所
地震の避難所利用はほぼ解消されましたが、水害の避難所には100人以上が残り、建設型仮設住宅への入居を待っています。避難所から仮設住宅への移行は今後も段階的に進められる予定で、JVOAD会員のPBVも珠洲市や輪島市と連携して、避難所への物資配布や運営支援を行っています。
■ 応急仮設住宅
NPO等から入居後の仮設住宅の不具合が報告されています。冬対策や必要な修繕を支援する制度が設けられ、NPOと自治体では、マットの敷設やエアコンの室外機の凍結防止対策など、支援制度を活用した具体的な対策が進められています。また、行政とNPOが一体となった防寒対策や暖房器具使用時の注意喚起なども行われています。
《 JVOADの取り組みと今後の課題 》
■ 支え合い、安心して暮らせる地域づくりを目指す「コミュニティ再建事業」
石川県からJVOADに委託されたコミュニティ再建事業の一環として、能登半島地震で能登6市町から避難している金沢市などにお住まいの方を対象にした「能登サロン」(主催:石川県、石川県地域支え合いセンター)が12月に開催されました。あいにくの雨模様でしたが、多くの方の参加がありました。参加者からは「思いがけず地元の知り合いに会えて嬉しかった」「縁日コーナーで子どもたちが楽しんでいた」などの声が聞かれました。

「能登サロン」での記念撮影の様子
■ 現地の課題解決に向けた取組の推進
NPOや行政とは、現場の課題について意見交換する会議を続けています。仮設住宅の住環境の改善や被災者支援制度の運用状況の確認など、県、市町、NPOの役割分担が話し合われています。例えば、室外機に雨水が当たって凍結する問題がありますが、雨水が当たらないようにするための雨水ディフレクターの設置は市町で対応できるようになりました。
■ JVOADの今後の活動
コミュニティ再建事業については、年度の変わり目に支援が中断しないよう、次年度の検討を開始しました。
また、石川県での災害対応活動を継続するため、スタッフの出張計画を策定し、効率的な支援体制を構築します。
金沢市内で、これまで能登を支援してきたNPOが一堂に会するイベント「震災支援者ミーティング」が開催されました。各団体が初めて顔を合わせましたが、各団体が集まる場の必要性を誰もが感じました。多くの団体が継続的な支援を望んでいることから、団体間のつながりを求める声が多く上がり、今後のネットワークづくりのきっかけとなりました。今後、金沢市内での支援のネットワーク化が進められます。JVOADは今回のイベントに登壇し、災害支援のネットワーク化の事例を話題提供しました。今後は石川県内のネットワーキングにも関わっていきたいです。
被災された方々の生活と地域社会の再建に向けた取り組みを推進していきます。
引き続き、ご支援・ご協力をお願いいたします。