第5回全国フォーラムは、すべてのセッションを初めてオンラインで開催しました。行政、社協、NPO、企業等から562名の参加がありました。 連携をベースとし、そしてコロナ禍での「災害支援の文化を創造する」ことを目指し、オープニングセッションでは、「令和2年7月豪雨 熊本の事例から考えるコロナ禍の災害支援」のタイトルで、コロナ禍における「被災地の意向」を優先した中での、支援の連携の必要性について、またクロージングセッションでは、「災害支援の文化の創造、これからの展開」について考える議論を行いました。 「地域」、「分野」、「備え(つながり)」を軸に企画された26の分科会では、災害時に直面した様々な問題や課題に対して参加者とともに考え、解決のための提言・啓発につなげ、災害支援の専門的な知識やノウハウが共有できる機会となりました。
JVOADや全国フォーラムに対する今後の期待・ご意見・ご要望をお聞きしました。
このようなフォーラムを全国域だけでなく、いくつかのブロックで開催すると、近隣の県域ネットワークの強化につながると思う。(協同組合)
日頃の業務に追われ、横のつながりが作りにくい。受け身でなくしっかり発信を行っていこうと思いました。(社協)
災害支援はやはり地方自治体との協力が重要。そこに大きな壁があるので、そこをどう突破するかがポイントだと思っています。(企業)
自治体として災害ボランティアの方々と、平時からの繋がりや会議体の取組方法をもう少し学んでいきたい。(行政)
多様な人材が求められる一方、リエゾン/ コーディネーターと言われる要件定義や連携条件の難度が高い外部支援人材については、一定の基準で認定するような取り組みを期待しています。(助成団体)
平時に如何にいい関係が構築され、備えられるかが肝心だと思うので、災害時の対応だけではなく、平時からのはたらきかけについて力を貸してもらいたい。(NPO)
災害ボランティアに関心のない人に、「災害支援文化」を普及させるためのアイデアを皆で考えていきたい。(大学・教育機関)
様々な活動をされている団体などと地域、行政とのマッチング、つなぎ、平時からのネットワーク構築。(行政)
全国の事例の発信や横展開、情報のつなぎなどを期待したい。(NPO)
当専門委員会で発行した「新型コロナウイルス感染症避難生活お役立ちサポートブック(第3版)2021年2月28日作成」を、感染症の専門家を交えて詳しく解説します。また、平時のコロナ禍における避難所運営の担い手づくりを目指して、サポートブックの活用方法や、アイデアを共有します。(講義形式)
企画:JVOAD避難生活改善に関する専門委員会
災害が起きたときに、子どもたちが安全・安心に過ごし元気を取り戻せる場所「子どもにやさしい空間(CFS)」についてより多くの方に知っていただくため、CFSの実践経験のある団体から、実際の運営の様子や課題、実施ノウハウ、関連する国際的なガイドライン等についてお話しします。また、参加者との意見交換を通じて、災害時の子どもの権利の保障に向けた平時からの多職種間の連携の可能性についても検討します。
企画:災害時の子どもの居場所(CFS)協議会、JVOAD
災害対応に関わる団体が増え、同時に能力強化も進んできましたが、支援のモレやムラの解消には至っていません。困りごとと支援を繋ぐ被災者支援のコーディネーションの役割と機能が明確になっていないことに起因すると思われます。今までの災害支援で積み残しになった課題とコロナ禍を踏まえて、必要とされる被災者支援コーディネーションが被災地で迅速に円滑に機能するための仕組みについて、様々な視点から掘り下げていくことを目的とします。
企画:JVOAD
平時のつながりの重要性は、大規模災害が度重なる中で多くの関係者が実感しているところですが、地域での防災の取り組みしかり、その内容や参加者属性は限定的なものにとどまっています。そこで、いざという時に大きな助けともなり得る多様なセクター間の連携・協働をうみ出すきっかけとしての平時の防災をはじめとする地域づくりのあり方や具体の企画のアイデア等について、複数の事例をもとに皆さんと考えます。
企画:ふくおかNPOセンター
新型コロナウイルス感染症の影響は、いまだ収まらない現状にあります。そうしたなかで、令和2年7月豪雨をはじめ様々な災害が発生し、企業・団体もその対応に追われ、疲弊し、さまざまな側面で向き合い方が問われました。本分科会では、災害時の対応を振り返り、担当者の方々が、なにを思い、なにを感じたのかを共有いただき、企業・団体としてなにができるか、合わせてJVOADへの期待・可能性を議論したいと思っております。
企画:JVOAD賛助会員 企業・団体
災害時の支援活動を行う上で、被災者個人の情報を取り扱わなければならない場面は多いと思います。大規模災害になれば、これらの情報を電子化し支援の効率を上げることが求められますが、現場では「個人情報」に係る問題として積極的な電子化に踏み切れない場面も多くあります。本企画では、「個人情報」にまつわる課題を共有し、対処方法について複数の角度から議論することを目的とします。
企画:一般社団法人情報支援レスキュー隊(IT DART)
令和元年東日本台風での長野県のONE Naganoの概要と、どうやってそれが生みだされたのか、平時・災害時の多様な被災者支援主体による連携・協働の取組の好事例を学び、コロナ禍における今後の、特に行政の被災者支援活動に活かします。
企画:内閣府 政策統括官(防災担当)付参事官(普及啓発・連携担当)
被災者の尊厳・権利の保障や多様なニーズへの対応を目指す国際基準(スフィアや人道支援の必須基準(CHS))への関心が高まる中、海外の支援現場では被災者の尊厳の侵害である性的搾取・虐待、ハラスメントからの保護(PSEAH)も必須とされています。本セッションでは、被災者を更なる被害から守ることの重要性とそのために必要なことは何かについて、スフィア基準、CHS、2021年3月刊行の『日本語版PSEAH実践ハンドブック』をもとに考えます。
企画:ジャパン・プラットフォーム(JPF)、国際協力NGOセンター(JANIC)
協力:支援の質とアカウンタビリティ向上ネットワーク(JQAN)
コロナ禍で被災地において必要な支援とは何か。JVOADでガイドラインを作成しましたが、7月豪雨が発生し、県外から支援に入るべきか、入らないべきか、様々な意見が出されました。支援の受入れ側と、支援に入る側の両方の立場から7月豪雨の支援について検証します。
企画:JVOAD
令和2年7月豪雨水害で、球磨村の村民を受け入れた指定避難所「旧多良木高等学校」。その運営に当たった行政とNPOからゲストをお迎えし、コロナ禍における避難所の現実と、住民参加の運営を目指した実践事例をもとに、多様なセクターとの効果的な連携の在り方について考えます。(パネルディスカッション)
企画:JVOAD避難生活改善に関する専門委員会
コロナ禍によって、言語問題に加え、様々な不安定な身分・立場にある滞日外国人が公的支援を求めにくく、生活困窮する状況が浮き彫りにされました。都内でも最も外国人住民の割合が高い新宿区を対象に、ターゲット層の脆弱性把握と災害発生時のアウトリーチ支援計画策定を目指した調査を開始しています。外国人支援において宗教施設が持つ潜在力にも着目し、本調査から見えてきた知見・課題を参加者と共有し、今後の連携協力を呼びかけたいと思います。
企画:ACTジャパン・フォーラム、CWS Japan
各地で自然災害が発生する中で、支援現場で民間組織を支え、3者連携のつなぎ役となる「災害時の中間支援組織」の役割が益々、重要になっています。では、その理想の在り方とはどうなのか。その役割や機能の理想を考えます。
企画:岡山NPOセンター
コロナ禍で明らかになったように感染症下や、大規模かつ広域に発生する災害に対応するため、今後はより一層災害が発生した地域を中心にした災害支援が必要となってきます。生協ではこれまでの被災地支援の経験を経て、地元行政や社会福祉協議会等と協働しながら災害支援を行ってきました。本分科会では、生協の災害支援の取り組みを通して、災害支援を本業にしない組織の見地から地域での災害支援活動を考えます。
企画:日本生活協同組合連合会
朝は菓子パン、昼はおにぎりやカップ麺、夜も冷たいお弁当・・・被災地で、何十年も繰り返される食の問題です。他に沢山のタスクが発生してしまう中で後回しにされやすく、支援者間で「現状は問題だ、改善しよう!」という共通認識を作り切れていません。支援の担い手も、連携も不足しています。この問題を何とかしたくて2019年以来色々な場面でアピールし続け、ついに5回目。より具体的な改善提案をさせて頂きます。乞う、ご期待!
企画:(公財)味の素ファンデーション(TAF)
後援:食べる支援プロジェクト(たべぷろ)
東日本大震災から10年。この間、技術系と呼ばれる組織が根付き、各地の災害で地元災害VCや行政と連携協働して、被災者の生活再建に寄与してきました。その変遷と事例から、今後の目指すべき連携について考えていきます。
企画:JVOAD技術系専門委員会
日本の災害支援の現場における誰も取り残さない支援の実現の観点から、海外の支援現場で重視されている、被災時により声をあげることが難しい性的搾取・虐待、ハラスメントに関する対応(PSEAH)について考えます。次の国内災害支援活動にPSEAHをどう取り入れるのか、支援者必須の『日本語版PSEAH実践ハンドブック』をもとにワークショップ形式で考えます。
企画:ジャパン・プラットフォーム(JPF)、国際協力NGOセンター(JANIC)
協力:支援の質とアカウンタビリティ向上ネットワーク(JQAN)
災害時の物資支援は、不用品を送る、相手に確認せず送る、内訳不明で送る、ニーズを聴かず送る、地元経済を圧迫する等の課題を改善しアップデートされてきました。これをさらに発展させた発災直後に地元で必要なものを用立てる5.0を考えます。
企画:岡山NPOセンター
東日本大震災では数多くの県内外のNPO団体が支援に関わっていました。また、NPOを支える様々な制度、仕組み、助成プログラムも立ち上がりました。震災から10年が経過したことを機に、沿岸部の津波・地震災害や原発事故による災害に対して、全国規模のネットワーク組織が果たした役割や県内外のNPOが災害・復興支援の現場で果たした役割を振り返りながら、今後の東日本大震災における支援の方向性や次の災害に向けた課題を考えます。
企画:東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)
災害発生時には、被災地の社会福祉協議会が災害ボランティアセンター(以下、災害VC)を設置し、被災者への支援活動を展開しています。昨年からの新型コロナウイルスの影響に加え、今後発生が懸念される南海トラフ地震、首都直下型地震などの大規模災害を想定し、被災市区町村、近隣市区町村などを基本として、多様な連携による災害VC運営をどのように進めていくかを考える。(課題提起・事例紹介)
企画:全国社会福祉協議会
コロナ禍により、被災地は地域外からの支援が得づらくなっています。今後もしばらくはこの状況が続くと思われますが、その場合、自らの地域リソースを見直すなどして、必要となる支援を届けなくてはなりません。同時多発かつ広域災害では、現在の技術系の担い手だけでは対応しきれないため、平時からの育成が重要となります。本分科会では、どのように担い手を増やしていけるのかを考えます。
企画:JVOAD技術系専門委員会
災害時に、現地(被災者)を助けるためにシェアサービスは何ができて、そのために何をする必要(連携)があるかを関係者(自治体、NPO)と議論、提案したいと思います。
企画:シェアリングエコノミー協会
大規模災害時発生後、緊急支援フェーズに毎回課題となる、仮設住宅(みなし仮設含む)や在宅避難をする被災者への、生活再建に必要な物資、サービス支援の実例をもとに、過去の災害対応から学びを共有し、今後の災害発生を想定した事前の備え・連携のありかたを考えます。パネリストには、物資を提供するNPO、支援を受け入れる窓口の行政市町村、広域の避難者を把握する県、それぞれの担当者が登壇し、法令と支援のありかたについて探ります。
企画:ジャパン・プラットフォーム(JPF)、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)
災害支援を活発に行っている宗教系団体が日本においても多数存在し、災害支援活動の重要な一部を担っています。特に近年では日本各地において宗教施設が避難所として定められるなど、自治体との連携が各段に進んでいます。宗教系支援団体の災害支援時における特徴や期待される役割について話し合い、よりよい3者(行政、社協、NPOなど)連携の実現を目指します。
企画:ヘルピングハンズ
災害支援の現場では、多様な情報を共有し、的確に支援を調整し、迅速な意思決定が求められており、「話し合う力」は必要不可欠です。さらに、コロナ禍を踏まえると、平時から地域で「話し合う力」をどれだけ備えられているかも重要な要素となります。本分科会では、被災者や被災地の課題に対して、様々な団体等を巻きこみながら、地域内で主体的に解決するための「話し合う力」がどうすれば育まれるのかを考えます。
企画:日本ファシリテーション協会
「地域(避難行動要支援者を抱える地域)」の災害対応能力を高めるとともに、「分野 (避難行動要支援者) 」 に関わる関係者の対応能力を高める必要があります。上記を横断した支援を行うためには、防災だけでなく福祉との境界連結が必要となります。そのために求められる越境、その成果としての価値の習合について学びます。
企画:同志社大学インクルーシブ防災研究センター、JVOAD
災害発生時には、被災地の社会福祉協議会が災害ボランティアセンター(以下、災害VC)を設置し、被災者への支援活動を展開しています。昨年からの新型コロナウイルスの影響に加え、今後発生が懸念される南海トラフ地震、首都直下型地震などの大規模災害を想定し、被災市区町村、近隣市区町村などを基本として、多様な連携による災害VC運営をどのように進めていくかを考える。(これからの地域主体、多様な連携による災害VCの運営について等)
企画:全国社会福祉協議会