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研修・訓練
2025年1月16日

福島県で「被災者支援コーディネーター育成研修」を開催しました

被災者支援コーディネーター育成研修の意義と背景

JVOADは、災害時に迅速かつ効果的に支援を実施する体制を構築するため、都道府県域の災害中間支援組織をサポートしています。その一環として、JVOADは被災者支援コーディネーター育成研修を定期的に実施し、支援調整に必要な知識やスキルを提供しています。

2024年12月3日には、福島県の災害中間支援組織である「ふくしま県災害支援ネットワーク」と共催で、被災者支援コーディネーター育成研修を実施しました。
ふくしま県災害支援ネットワークに関わる7つのNPOから11名が参加し、講義や演習、グループワークを通じて実践的な内容を学びました。
 

講義:被災者支援の課題とコーディネーターの役割

研修の前半では、JVOADの明城が「被災者支援コーディネーション(調整)とは何か」「災害中間支援組織とコーディネーターの役割」をテーマに講義。まず、被災者支援の課題として以下の4点を挙げ、それらに対応するためのコーディネーションの重要性を説明しました。

  1. 限られたリソースと担い手不足
  2. 分野・セクター間の連携不足
  3. 被災者のニーズに立った視点の欠如
  4. 多様な主体への理解不足

「災害中間支援組織とコーディネーターの役割」についての講義では、被災者支援コーディネーターの役割は、直接的な支援実施とは役割が異なること、将来の脆弱性を軽減するための配慮が不可欠であること、また、コーディネーションの実施体制について、「被災者支援コーディネーション ガイドライン」に基づいて説明しました。
その後、JVOADの柴田がグループワークの進行役を務め、災害中間支援組織の4つの機能である「連携の促進」「全体像の把握」「活動の支援」「課題解決のための調整」を共有しました。

 

福島県の事例から学ぶ

後半は、2023年いわき市水害への対応について、災害支援ネットワークIwakiの馬目氏による事例発表からスタートしました。事例を通して、情報共有の成果と課題が示され、長期的な支援と災害対応の改善の必要性について言及がありました。

 

ケースに基づく演習と意見交換

ケーススタディを用いた演習では、JVOADの神元がファシリテーターとなり、ふくしま県域災害支援ネットワークのメンバーを含む参加者全員で、豪雨被害が発生したという想定で、災害発生から復旧・復興までの各災害フェーズにおける状況や具体的な支援活動についてディスカッションを行いました。
また、「誰と連携するか」「どのような行動をとるか」といった課題や、行政や社協など関係者との連携についても話し合われました。

全体発表では、「平時からの連携の場の必要性」や「関係者間の目線合わせの重要性」などが共有され、今後の課題として取り組む意欲が示されました。

 

本事業はGive2Asiaの助成金を受けて実施しています。
研修・訓練
2025年1月9日

官民連携の強化を目指して:千葉県で三者連携・コア会議運営訓練を開催

千葉県内の被災者支援を担う三者が参加

12月9日、千葉県で災害支援ネットワークちば(CVOAD)とJVOADの共催による「三者連携の訓練」を開催しました。

JVOADは令和5年度から、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の助成を受け、「災害時の官民連携を検証・改善するための訓練プログラム開発事業」を実施しています。
この事業は、災害発生時に支援者が連携し、それぞれの役割を認識し、動きを想定できるようにするためのもので、都道府県域や全国域の災害訓練への活用を目指しています。

今年度は千葉県と福岡県でモデルとして開催する計画で、今回はCVOAD、千葉県、千葉県社協をプレイヤーとして、日本大学危機管理学部の先生に訓練の統括をお願いし、JVOADがコントローラー役として実施しました。

千葉県北西部を震源とするマグニチュード7.3の逆断層型地震が発生し、千葉県内に甚大な被害が及んだことを想定し、3日目、1週間後、1ヵ月後ごとにで、被害と支援の状況(量的・質的)の付与に加え、過去の災害を参考に様々なテーマについての個別課題も付与されました。
各フェーズでは後半にコア会議を開催し、付与された内容から課題を見いだし、三者で可決に向けて議論しました。

訓練には、平時から必要な取り組みを明らかにするため、訓練プログラム検討会のメンバーの方々が評価者として参加しました。訓練の評価は1月に実施する予定です。災害発生時に、被災者への多様なニーズへの対応、特に、高齢者・障害児者・子どもなど特別な配慮を必要とする方々や、ジェンダー・多様性に配慮した支援が実現されることも目指します。

この事業は令和6年度 独立行政法人福祉医療機構
社会福祉振興助成事業を受けて実施しています。
お知らせ
2025年1月7日

【メディア】朝日新聞に掲載「ボランティア非難で専門団体も萎縮 能登地震から考える支援のあり方」

12月28日(土)の朝日新聞に、JVOADの明城事務局長のインタビュー記事が掲載されました。
能登半島地震での支援を例に、専門性のあるNPOや支援団体の役割、自発性との調和、支援の在り方について語っています。
災害支援の課題と未来に関心のある方は、ぜひご一読ください。

https://digital.asahi.com/articles/ASSDV0RGCSDVUPQJ00MM.html?ptoken=01JGZB8Z950JB890YAMZKNTVXK

※この記事は、1月8日(水)12:00まで全文お読みいただけます。

お知らせ
2025年1月6日

「被災者支援コーディネーション ガイドライン」軽微な修正のお知らせ

2022年3月に発行した「被災者支援コーディネーション ガイドライン」の一部修正を行いました。

災害中間支援組織のリストの更新し、支援の14分野のリストを追加するなど、軽微な修正を加えました。

ガイドラインはこちらからご覧いただけます。

被災者支援コーディネーション ガイドライン

災害対応
2024年12月27日

(第12報)発災から1年:令和6年能登半島地震及び令和6年奥能登豪雨に関する状況について

1月1日に発生した石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震から間もなく1年が経とうとしています。
被災地ではこれまでに約420のNPOや支援団体が活動しています(JVOADが把握している団体数)。

輪島市や珠洲市では、NPOが避難所の運営支援や生活環境の整備を行うなど、長期化する避難所生活を支援し続けてきました。地震の避難所はほぼ収束しましたが、水害の避難所は年明け以降も継続するところがあります。
また、仮設住宅の戸数増加に伴い、石川県とNPOが連携して行っている家電支援も追加で行われています。水害による仮設住宅でも、地震による仮設住宅と同様の家電支援が行われる予定です。

JVOADは、石川県にスタッフを派遣し、地域の絆を深め、支え合い安心して暮らせる地域づくりを目指す「コミュニティ再建事業」や、各市町で開催される情報共有会議への参加による情報収集、石川県における災害中間支援組織の設置に向けた意見交換などを継続して行っています。
また、内閣府や石川県に現地の支援状況や課題を情報提供したり、石川県に高速道路無料化措置の延長を働きかけたり(無料化措置は3月末までの延長が決定)するなど、官民の連携を強化しています。


《 概況 》

■ 被害状況:地震
避難者数:1次避難所27人、広域避難所14人、2次避難所0カ所0人
被害棟数:住家被害102,406棟(全壊6,077棟、半壊18,328棟、一部破損77,990棟)
〇被害等の状況について(第179報)【2024年12月24日14時00分現在】
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/documents/higaihou_179_1224_1400.pdf

■ 被害状況:豪雨
避難者数:1次避難所244人、2次避難所6カ所37人
被害棟数:住家被害1,628棟(全壊110棟、半壊576棟、一部破損119棟、床上53棟、床下770棟)
〇被害等の状況について(第36報)【2024年12月24日14時00分現在】
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/documents/higaihou_36.pdf

■ 避難所
一部の水害による避難所は年明け以降も設置が継続されます。一方、地震によるホテルや旅館などの2次避難所は12月で解消され、避難者は仮設住宅に移るなどしています。しかし、福祉施設への避難を続ける避難者もいます。

■ 仮設住宅
水害の被害を受けた地域では新しい仮設住宅が建設されています。また、戸数は少ないですが、地震による建設型仮設住宅を新設した自治体もあります。現地情報共有会議では、冬対策、特に仮設住宅の通路の凍結防止対策や今後の除雪方法について話し合われ、県の復興基金を活用した仮設住宅ごとの凍結防止や除雪のための敷材の購入事例が共有されました。


《 災害対応における課題に対するJVOADの取り組み 》

■ 地域の絆を強め、支え合って安心して暮らせる地域づくりを目指す「地域コミュニティ再建事業」
現在、県が用意した標準メニュー(ものづくりワークショップ、相談会、カラオケなど)を市町が活用できるよう、JVOADが地域コミュニティ再建事業をコーディネートしています。特に能登町や七尾市では地域住民との連携が進んでおり、当該事業のニーズが高まっています。また、現地でサロン活動をしている団体に地域コミュニティ再建事業を委託する形でも展開しています。

■ 災害中間支援組織の設置に向けた意見交換
石川県とJVOADは、支援調整を行う災害中間支援組織設立の進め方について意見交換を行っています。今後、新しい組織のあり方について、地元団体も含めて協議していきます。
一方、金沢市では、これまで様々な分野で支援を行ってきた市内のNPOなどが一堂に会し、今後の石川県のあり方を考える「震災支援者ミーティング」が計画されています。

■ 能登半島地震を今後の各都道府県の取り組みに活かす動き
12/4(水)、岐阜県社会福祉協議会主催の「体験型研修」の一環として、岐阜県・岐阜県社協・地元NPOがJVOADの石川県庁内事務所を訪れ、JVOADの活動概要や成果、課題等についてヒアリングを受けました。JVOADは、能登半島地震の経験を共有し、各都道府県の備えに活かしていきたいと考えています。

引き続きご支援をご協力をお願いいたします。

寄付・ご支援
2024年12月27日

損害保険ジャパンによる新たな寄付プログラムの支援先にJVOADが選ばれました

損害保険ジャパン株式会社(以下「損保ジャパン」)は、環境負荷の低減と災害に強い社会づくりに貢献し、持続可能な社会の実現を目指すため、これまで取引先に贈っていた祝花や祝電に代わり、災害支援活動を行うNPO法人に寄付を行う新たな取り組みを開始することとしました。この度、JVOADが寄付先として選定されました。

JVOADの役割は、災害時の被災者支援における課題解決のため、NPOや企業などの支援者間の連携を促進し、被災地のニーズに合った支援が行われるよう調整を行うことです。この度の寄付を通じて、災害時に調整の役割が果たせるよう、平時から支援者間の連携の強化や被災者支援コーディネーションの仕組みづくりに努めていきます。

損保ジャパンの温かいご支援に深く感謝申し上げるとともに、被災者支援の課題解決に向けて、より一層努力してまいります。

損保ジャパンのプレスリリースはこちら

お知らせ
2024年12月26日

(1/20(月)開催)「国土強靭化シンポジウム in 和歌山」に登壇します

1月20日(月)「国土強靭化シンポジウム in 和歌山」(主催:内閣官房国土強靱化推進室)に、JVOADが登壇します。

シンポジウムの前半では、講演が行われ、改訂された国土強靭化基本計画の内容などが紹介されます。後半は、能登半島地震の経験と教訓、南海トラフ地震等大規模地震への備えについてパネルディスカッションが行われ、JVOADから神元がパネリストとして参加いたします。

本シンポジウムは、国や地方自治体だけでなく、民間企業や地域住民の方々にも広くご参加いただけます。皆様のご参加をお待ちしております!

シンポジウム概要


日時:2025年1月20日(月)13:30~16:30
会場:ダイワロイネットホテル和歌山(和歌山市七番丁26-1)
定員:200人(先着順)
参加費:無料
申込締切:会場参加 → 2025年1月5日(日)、オンライン視聴 → 開催当日
詳細・お申込みはこちらから!
https://www.kokudokyoujinka.com/
※出演者は決まり次第、ホームページで発表されます。

国土強靱化とは
地震や津波、台風などの自然災害に強い国づくり・地域づくりを目指す取組のことです。
詳しくはこちら

お知らせ
2024年12月25日

年末年始休業のお知らせ

今年は、元日の能登半島地震にはじまり、7月と9月の水害など各地で災害による被害が相次ぎ、その都度支援調整を行ってきました。また、災害対応と並行して、災害時の官民連携を検証・改善するための訓練プログラム開発、平時からのネットワーク作り、人材育成研修の実施など、さまざまな活動を行いました。

2024年もスタッフ一同、多くの方々と協力し合いながら懸命に取り組んでまいりました。

なお、JVOAD東京事務所及び石川県庁内拠点は、以下の期間、年末年始休業とさせていただきます。

2024年12月28日(土)~2025年1月5日(日)

年明けは1月6日(月)からとなります。
石川県庁内拠点は年明け以降も継続しますが、不在の日もございますので、何かございましたら事前にご連絡ください。
電話番号:090-3066-2242

大規模災害が発生した場合は、上記期間中であっても速やかに被災地に急行し、支援調整を開始いたします。

本年も災害対応へのご支援、ご協力をありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。

研修・訓練
2024年12月24日

【ご案内】1/17(金). 18(土) 被災者支援コーディネーター研修 『防災とボランティアの日』に被災者支援を考える@宮崎

支援の力をつなぐ実践研修

JVOAD・宮崎県・宮崎県社協・NPO防災会議は、1月17日と18日に被災者支援コーディネーター育成のための研修「『防災とボランティアの日』に被災者支援を考える」を開催します。会場は、1月17日は宮崎県庁防災庁舎、18日はみやざきNPO協働支援センター。

防災の日に多様なアクターが一堂に会し、被災者支援について考えるイベントとして、1月17日に公開イベントを、18日に宮崎県内の関係者向けの研修を開催します。
宮崎県における被災者支援コーディネーションについて、災害中間支援組織やNPOなどの支援団体、社協、行政関係者らが理解を深めるために企画されたもので、福島に次ぐ今年度2回目の開催となります。

各団体の役割や活動を知り、過去の事例から外部支援のあり方を学び、関係者が連携することで、より迅速で効果的な災害対応を目指します。
被災者支援コーディネーションを担う人材を育成する第一歩として、コーディネーターを目指す方にはコーディネーションに必要な知識を、災害支援に関わる地域のキーパーソンにはコーディネーションに関する共通の意識を、共に楽しみながら学ぶ機会としています。

<『防災とボランティアの日』に被災者支援を考える>
日時
1月17日(金)13:30~16:00(宮崎県庁防災庁舎7F)
1月18日(土)10:00~16:00(みやざきNPO協働支援センター)

参加費
無料

主催
宮崎県・県社協・NPO防災会議(構成団体:宮崎県、宮崎県社会福祉協議会、みやざきNPO・協働支援センター)・特定非営利活動法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク

お申し込みはこちらから!
https://forms.gle/5K9R7yQieydx7qd8A

研修・訓練
2024年12月20日

【報告】JVOADが各地の研修会等に登壇・参加しました_12月

徳島県

◆令和6年度災害ケースマネジメント総括者育成研修に登壇しました

12月10日(火)、徳島県主催の「令和6年度災害ケースマネジメント総括者育成研修」が開催されました。徳島県では、令和元年度に作成した復興指針に災害ケースマネジメントを位置づけ、令和5年度から「徳島県災害ケースマネジメント総括者・実務者育成研修」を実施しています。
同研修は、災害ケースマネジメント全体の流れや各主体との連携、ケースマネジメント関係者への支援など、災害ケースマネジメント全体を総括・管理する能力を育成することを目的としています。

11月27日(水)の1日目には、災害ケースマネジメントのケーススタディに関する講義等が行われ、2日目となる今回は、JVOADが2つのコマを担当しました。

「災害中間支援組織と民間団体との連携」をテーマに、避難所や子ども支援など14分野のNPO等の活動を紹介し、官民連携の重要性、制度外のニーズへの対応、災害中間支援組織の役割などを説明しました。また、能登半島地震を例に挙げ、地域の対応力の重要性を強調しました。

演習では、徳島での災害を想定し、被災者の困りごとの課題解決について、グループで検討し、その内容を「情報共有会議」で協議することを行いました。この演習は、災害マネジメントを担当する職員が、災害中間支援組織やNPO等の民間団体との連携方法、情報共有会議の開催方法などを理解してもらう機会となりました。

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