宮崎県で「被災者支援コーディネーター育成研修」を開催しました
JVOADは、1月17日・18日の2日間、『防災とボランティアの日』に被災者支援を考えるイベントとして、宮崎県においてシンポジウムと研修を実施しました。本イベントは、宮崎県・県社協・NPO防災会議(構成団体:宮崎県、宮崎県社会福祉協議会、みやざきNPO・協働支援センター)との共催で行われました。
※本イベントは、Give2Asiaの助成で行われました
シンポジウム「能登半島地震から考える被災者支援」
1月17日、宮崎県庁防災庁舎にてシンポジウム「能登半島地震から考える被災者支援」を開催し、県内のNPO法人や行政、社会福祉協議会の職員など50人余りが参加しました。
シンポジウムの冒頭では、JVOADの明城が「災害時の被災者支援とは」をテーマに講演し、NPO等による支援活動の様子を写真などを用いて紹介。
被災地で繰り返し発生する課題を挙げた上で、被災者支援コーディネーションについて「被災者のニーズと支援の全体像を把握・共有し、現場における活動を支援するとともに、課題解決に向けた調整を行うもの」と説明しました。
続く能登半島地震での被災者支援事例報告では、JVOADの神元が、地震発生後の初動対応から情報共有会議等を通じた課題の把握、多様な主体との連携・取り組みについて報告。また、ピースボート災害支援センターの上島氏、宮崎文化本舗の石田氏も、それぞれ現地での活動や能登の現状を報告しました。
パネルディスカッション「能登半島地震での被災者支援の課題から、宮崎県でこれから考えるべきこと」では、災害時の情報把握の課題や関係者同士の連携について議論が行われ、「誰が話を聞いても行政・NPO・社協がつながっている体制が必要」「被災者の困りごとを聞く傾聴力が重要」といった意見が出されました。
被災者支援コーディネーター育成研修
翌18日には、「被災者支援コーディネーター育成研修」を実施し、災害中間支援組織やNPO等の支援団体、社会福祉協議会、行政職員など25人が参加しました。
研修では、「支援コーディネーション(調整)とは何か」「災害中間支援組織の役割」「被災者支援コーディネーションの具体的な活動」について学び、ケーススタディを用いた演習を通じて、災害時の課題やその解決策をグループで考えました。
さらに、宮崎県の災害対応の事例として、宮崎文化本舗の石田氏より「宮崎における竜巻の事例」が報告され、竜巻では全壊等の基準が難しいこと、屋根などの被害確認が目線の高い場所から出ないと難しいことなど、実際の経験に基づく課題が紹介されました。
加えて、県や社会福祉協議会による被害想定の判断についても議論が行われました。
参加者の声と今後の展望
2日間を通して、参加者からは以下のような感想が聞かれました。
- 「自分たちの強みを活かして災害時に何ができるのか、日頃から検討していく必要がある」
- 「平時から体制を整える必要性を感じた」
- 「同じグループになった人とのつながりができた」
宮崎県では、災害中間支援組織の形成に向けた取り組みが進んでおり、本イベントを通じて、その存在や被災者支援コーディネーションの役割について広く周知する機会となりました。また、研修には幅広い分野の団体や個人が参加し、平時のつながりを災害時に活かすための関係づくりの一歩となりました。
メディア掲載情報
本イベントの内容は、以下のメディアで紹介されました。
- NHK宮崎
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20250117/5060020217.html - MRT宮崎
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mrt/1674580?display=1 - 宮崎日日新聞
1/18朝刊 掲載
https://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_82512.html - 朝日新聞
1/18朝刊 地域欄に掲載 - 宮崎県 フェイスブック
https://www.facebook.com/share/p/1Y14EdMFQP/?mibextid=wwXIfr - 宮崎県 X
https://x.com/miyazakipref/status/1881945204862935379?s=46&t=f8AYDnjuiFXUd8e1R0Qy3Q