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研修・訓練

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2025年10月28日

「被災者支援で目指す状況」を確認する勉強会(第1回)開催報告

コア会議の役割を再確認

「災害時の官民連携体制を検証・改善するための訓練プログラム開発事業」の一環として、9月19日(金)に全国社会福祉協議会にて「『被災者支援で目指す状況』を確認する勉強会(第1回)」を開催しました。本勉強会は、災害時の広域連携の中核である「全国情報共有会議 コア会議」の位置づけと役割を再確認し、今後の訓練に向けて相互理解を深めることを目的としています。
コア会議メンバーである内閣府、全国社会福祉協議会(全社協)、中央共同募金会(共募)、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が参加し、活発な意見交換が行われました。


過去のコア会議から学ぶ課題

JVOADから、平成30年西日本豪雨や令和6年7月の山形県戸沢村での大雨など、過去に開催されたコア会議の内容が共有されました。続いて、全社協からも、コア会議の発足経緯や目的、平時・災害時それぞれにおける役割、そして災害福祉支援センターの設置が進む中での全国情報共有会議への期待が示されました。

福祉的支援に関する全国情報共有会議への主な期待

  • 災害救助としての福祉支援の必要性
    発災直後はライフライン被害や人材不足により、福祉施設入所者の命が危険にさらされるため、DWAT(災害派遣福祉チーム)の体制強化や、全国の福祉施設による継続的な人的・物的支援の仕組みづくりが求められます。
  • 災害ケースマネジメント体制の構築
    避難行動要支援者名簿や保健師記録など、各主体が持つ情報を共有し、平時の福祉施策(例:生活困窮者自立支援機関)を活用した、切れ目のない支援体制を整備する必要があります。


コア会議メンバー間での意見交換

後半はワークショップ形式で、まず全国域としてのコア会議の役割を議論した後、各メンバーがお互いに「相手に期待する役割」を付箋に書いて共有しました。主な内容は以下のとおりです。

各団体への主な期待(抜粋)

内閣府へ

  • 各省庁の制度・施策に関する疑問の解消や改善提案の窓口機能
  • 予算情報の早期提供
  • 行政対応における課題解決支援

全社協へ

  • ボランティアセンター開設状況やニーズ対応の情報共有
  • 県域・市町村域への支援P派遣の必要性の検討
  • 災害VCでの支援内容(物資・炊き出し等)の明確化

JVOADへ

  • 専門性を持つNPOの活動状況、今後活動可能な団体の状況
  • 企業・NPOリソースのマッチング促進
  • 各地の災害中間支援組織が抱える課題・障壁の整理

中央共募へ

  • ボラサポ助成団体情報や各種資金情報の共有
  • 行政対応が求められる課題に関する現場からのフィードバック

また、西日本豪雨で見られた広範な連携体制や、地域と全国の課題線引き、縦の連携強化の重要性についても議論されました。地域の災害中間支援組織の力が高まる中、全国域のコア会議メンバーが「受け身」ではなく、能動的に情報を取りに行く姿勢の必要性が強調されました。


本勉強会を通じ、過去の教訓を踏まえてコア会議の役割を再定義し、4者間で相互の期待と課題を明確にしました。
今後の訓練に向け、福祉支援体制の強化や能動的な情報連携など、重要な方向性を確認する機会となりました。

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