≪神栖市総合防災訓練≫
想定:首都直下型地震が茨城県沖で発生。神栖市では震度6強を観測し、大津波警報が発表される事態を想定して、津波避難訓練が実施されました。
厚生労働省は、災害時の炊き出しに関する食品衛生法上の考え方を発表しました。
同省は、ボランティアとして食事を提供する行為や、支援団体が行政から委託を受けて炊き出しを提供する行為について、社会的必要性が高く、営利を目的としない場合は、食品衛生法上の「営業」に該当せず、都道府県知事等の許可は不要であるとの考え方を明らかにしました。
詳しくは以下の資料をご参照ください。
厚生労働省通知(PDF)
4月1日(火)、宗教者災害支援連絡会主催のシンポジウム「阪神・淡路大震災から30年-宗教者の支援活動を振り返る-」が、東京都の友心アネックスにて開催されました。JVOADからは、事務局長の明城がゲストコメンテーターとして登壇しました。
本シンポジウムは、阪神・淡路大震災から30年という節目に、宗教者による災害支援の歩みを振り返り、今後の防災・減災における役割や連携のあり方を考えることを目的に開催されたものです。
各宗教団体の代表者からは、これまでの支援活動の歴史や、現場での経験が共有されました。
これを受けて、明城からはJVOADの立場として、支援活動の調整の重要性や、今後の課題についてコメントを行いました。
JVOADは、東日本大震災を契機に「支援の調整がない」という課題を受けて2016年に設立され、以降、行政・災害ボランティアセンター・NPO等の三者連携や情報共有の重要性を訴え続けています。一方で、避難所の生活環境や在宅避難者の把握といった課題は今なお繰り返されており、支援の担い手や調整人材の不足も顕在化しています。また、支援の目的や方向性について、関係者間で共通認識が持てないことが、連携の難しさにつながっている現状も指摘しました。
シンポジウムに登壇された宗教団体の多くは、多様な支援経験を有し、被災地の現場で大きな安心感を与えてくれる存在です。今後の災害に備え、平時からの連携強化と課題の共有が、これまで以上に重要になることを再認識する機会となりました。
(参考リンク)
宗援連ホームページ:https://sites.google.com/site/syuenrenindex/
3月16日(日)、茨城県神栖市で「神栖市総合防災訓練」が開催されました。
メイン会場となった「かみす防災アリーナ」は、地域の防災拠点として災害時には避難所や救援・救護機能を果たす一方で、平時にはスポーツやイベントなどで多くの人が集う多目的施設です。毎年春には、防災講演会を含む「かみす防災アリーナ祭り」も行われています。
訓練当日はあいにくの雨模様となりましたが、市内各地から多くの来場者が訪れ、防災士をはじめとする関係者に加え、一般住民の姿も多く見られました。
災害活動パネル展示ブースでは、東日本大震災の県内の被災状況を紹介するとともに、JVOADとしては、ボランティア団体による活動の内容を紹介しました。
特に、水害時の床下対応を行う技術系団体の取り組みを紹介したコーナーでは、普段は目にしづらい、手間や時間のかかる支援の実際が来場者に伝わり、驚きや共感の声が寄せられました。
また、津波や大雨による浸水被害を受けた方々に向けて、生活再建に役立つ情報をまとめた「震災がつなぐ全国ネットワーク」発行の手引きや、災害時にはバッグや包帯としてなど多用途に使える手ぬぐいも配布しました。
「災害時に役立ちそう」といった声も多く聞かれ、備えの一助になったのではないかと感じています。
防災アリーナでは、自衛隊によるカレーの炊き出しや、地震体験車を使った各種訓練、水戸地方気象台による防災講演会なども行われました。
私たちは、かみす防災アリーナでのこうしたイベントに毎年関わらせていただいており、今後もこの施設を活用した連携をさらに深めていきたいと考えています。
≪神栖市総合防災訓練≫
想定:首都直下型地震が茨城県沖で発生。神栖市では震度6強を観測し、大津波警報が発表される事態を想定して、津波避難訓練が実施されました。
令和6年度は、前年度に議論を重ねてきた「三者連携・コア会議運営訓練」と、それに向けた2種類のワークショップを、千葉県および福岡県でモデル実施しました。
JVOADでは、令和5年度より独立行政法人福祉医療機構(WAM)の助成を受けて実施している「災害時の官民連携体制を検証・改善するための訓練プログラム開発事業」において、訓練プログラム内容を検討する「訓練プログラム検討会」を設置しています。
特に「三者連携・訓練プログラム検討会」については、3月14日と19日の2日間にわたり開催し、令和6年度事業の振り返りを行いました。
検討会では、準備段階から今後の展開に至るまで、さまざまなアドバイスやご意見をいただきました。
上記のご意見・アドバイスを踏まえ、今回の訓練内容や手法の改善に取り組むとともに、今後各地での訓練実施を進め、更には災害時における迅速かつ円滑な三者連携による被災者支援の実現に貢献していきたいと考えています。
静岡県
◆災害時の知恵ぶくろ ~ 要配慮者支援編その3 ~ に登壇しました
2025年3月9日、静岡県総合社会福祉会館にて開催された「災害時の知恵ぶくろ ~ 要配慮者支援編その3 ~」(主催:静岡県ボランティア協会)に、JVOAD事務局長の明城が登壇しました。
本イベントは、災害時に支援が届きにくい「要配慮者」への支援をテーマに、県内の関係者を対象とした研修会で、定員100名のところ、多くの参加者が集まりました。
第1部のシンポジウムでは、県内外で災害支援に取り組む団体が登壇し、明城からは、被災者支援における連携の重要性について話題提供を行いました。支援を必要とする人々を把握し、的確に支援を届けるためには、行政・社会福祉協議会(社協)・NPOなどが連携することが不可欠であると強調しました。
具体的には、令和6年能登半島地震における「被災高齢者等把握事業」の活用事例を紹介。在宅で支援が必要な方々に対して、NPOや専門職団体と連携した訪問調査が効果的であったことを共有しました。また、政府も同地震を受けて、企業・ボランティア・NPOとのさらなる連携強化を打ち出していることに触れ、平時からの関係構築と情報共有の重要性を訴えました。
第2部の交流会では、登壇者を交えたグループワークが行われ、南海トラフ巨大地震発生時を想定した課題と解決策について、参加者同士で検討しました。要配慮者支援に向けた「つながりづくり」のキーワードを共有され、実践的な学びと交流が深まりました。
関連リンク:イベントページ(静岡県ボランティア協会)
愛知県
◆第30回日本災害医学会総会・学術集会 記念大会 に登壇しました
2025年3月8日、名古屋市のポートメッセなごやで開催された「第30回 日本災害医学会総会・学術集会 記念大会」のシンポジウム「日本の避難所環境改善へのシナリオ」に、JVOAD代表理事の栗田が登壇しました。
本シンポジウムには、医療・防災・メディア・NPOなど多様な分野から登壇者が集まり、会場は約300名の満席となり、立ち見が出るほどの注目を集めました。
栗田からは、これまで50件を超える災害現場に関わってきた経験をもとに、「避難所運営にあたるボランティア団体の現状と避難所環境改善への課題」について発言。特に、令和6年能登半島地震における七尾市での避難所支援の経験を紹介しました。
トイレ・キッチン・ベッド(TKB)などの基本的な避難所環境の整備に2か月以上を要した現状とその背景に触れ、市町村における知識や体制の不足、災害救助法に関する理解不足が根本的な課題であると指摘しました。
さらに、NPO等の民間団体における専門人材の不足や活動範囲の限界にも触れ、今後の人材育成の鍵として、現在進行中の内閣府による「避難生活支援リーダー/サポーター研修」の全国展開に期待を寄せました。地域ごとに担い手を育てる仕組みづくりの重要性を強調し、「地元での対応が進まなければ、災害のたびに同じ課題を繰り返す」との警鐘を鳴らしました。
関連リンク:第30回日本災害医学会総会・学術集会 記念大会公式サイト
徳島県
◆徳島県被災者支援推進ネットワーク会議 に参加しました
2025年3月18日、徳島県主催の「徳島県被災者支援推進ネットワーク会議」が徳島グランヴィリオホテルで開催され、JVOADはアドバイザーとして参加しました。当会議は、県内の被災者支援にかかわる団体や市町村の行政など48名の委員と3名のアドバイザーで構成されています。
徳島県や県社協からは「災害ケースマネジメント」に関する取り組みが紹介され、災害中間支援組織「徳島被災者支援プラットフォーム」の設立報告も行われました。
JVOADからは、能登半島地震におけるNPOの支援活動の実際や、行政・社協・NPOの三者連携の重要性について話題提供を行いました。
特に、避難所支援、物資提供、外国人や高齢者への支援、災害廃棄物対応など、多様なニーズに対応した現場の事例を紹介し、課題解決に向けた官民の「情報共有」と「調整」の仕組みづくりの必要性を強調しました。
2025年3月、「保健医療福祉調整本部等におけるマネジメントの進め方2025」が、「災害時の保健・医療・福祉及び防災分野の情報集約及び対応体制における連携推進のための研究班」より発行されました(JVOADも研究協力者として参加)。
本冊子では、令和6年能登半島地震における保健医療福祉活動の現場の声も参考にしつつ、保険医療福祉調整本部におけるマネジメントの進め方などが示されています。
43ページ「4-5.NPO/ボランティア、民間企業などとの連携」では、NPO・ボランティアとの連携の有用性や、JVOADなどの災害中間支援組織を介した効果的な連携のあり方が、具体的な事例とともに記載されています。
本冊子は主に保健医療福祉調整本部を対象に作成されたものですが、災害支援における保険医療福祉分野とNPO・災害中間支援組織との連携や調整においても、有益な内容となっています。
JVOADのガイドラインページにも掲載していますので、ぜひご覧ください。
JVOADでは、Give2Asiaの助成を受けて、「被災者支援コーディネーションガイドライン〈多様性配慮〉」を作成しました。
本ガイドラインは、支援者がジェンダー、障害のある方、性的マイノリティなど、多様な背景や脆弱性に配慮しながら、よりインクルーシブ(包摂的)な支援が行われることを目的としています。
被災地で支援に携わってきた専門家や団体の皆さまから情報をご提供いただき、用語の定義、災害対応における課題と対応策などを盛り込みました。
本ガイドラインは、主に災害中間支援組織など、被災者支援のコーディネーターを対象としていますが、災害支援に関わる多くの方々にも、広く参考にしていただける内容となっています。
JVOADではこれまでにも、「家屋保全」「食と栄養」「子ども支援」「外国人への支援」「物資支援」などの分野別ガイドラインを作成しており、JVOADウェブサイトからご覧いただけます。
▶ ガイドライン一覧(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク JVOAD)
※ガイドラインは今後も随時更新を予定しています。
被災者支援コーディネーションとは?
被災者支援は、行政・社会福祉協議会・NPOなど、さまざまな組織がそれぞれの役割を担いながら主体的に取り組んでいます。しかし、各組織が個別に活動を展開するだけでは、支援の「もれ」や「むら」が生じる恐れがあります。
そのため、平時から支援関係者同士の連携を促進し、災害発生時にはその関係性を活かして、被災者のニーズと支援全体の状況を把握・共有しながら、現場での活動を支援し、課題解決に向けた調整を行うことが重要です。
本ガイドラインでは、こうした連携・調整の取り組みを「被災者支援コーディネーション」と定義しています。災害中間支援組織とは?
災害時に、被災者支援を行うNPOなどの活動を支え、行政・社会福祉協議会・NPOなどのセクター間連携を推進する組織を「災害中間支援組織」と呼びます。
これらの組織は、支援の「もれ」や「むら」を防ぎ、迅速かつ的確な被災者支援を実現するために欠かせない存在です。
3月13日(木)に「JVOAD交流会 ― 繋がる支援、広がるネットワーク」を開催しました。
本交流会は、JVOADの正会員・賛助会員を対象としたネットワーキングの場として企画し、新規会員の紹介や2024年度の活動報告、グループディスカッションを通じた意見交換を行いました。
これまで長くJVOADを支えてくださった企業・団体会員はもちろん、今年度新たに会員になった企業・団体も含め、21名にご参加いただき、和やかな交流の時間を過ごしました。
まずは、事務局長の明城による2024年度の事業報告を行い、能登半島地震への対応を中心に、都道府県域の災害中間支援組織との協働や、防災庁設置準備アドバイザー会議への参画について説明しました。
参加者の皆さんは、画面に映し出された資料や配布資料を手に、真剣に耳を傾けていました。
続いて、本年度新たにJVOADに加わった5つの企業・団体が、それぞれの活動内容や災害支援の取り組みについて紹介しました。
各団体のプレゼンテーションでは、被災地での具体的な活動や、今後の支援の展望について発表がありました。
後半のプログラムでは、小グループに分かれて「会員の皆様の災害支援の関わり、JVOADに期待すること」をテーマに意見交換を実施。
発災時に必要な情報を迅速に共有できる体制の整備が求められるといった情報提供の重要性や、災害対応に関する研修会を会員間で実施し、スキルアップを図る教育・研修の充実についてJVOADに期待する声が上がりました。
各グループの発表後には質疑応答が行われ、今後のJVOADの役割について積極的な議論が交わされました。
また、代表の栗田から、閉会の挨拶として日頃のご支援の感謝と、引き続きのご支援のお願いを述べました。
災害中間支援組織としての活動の意義を改めて共有し、交流会は盛況のうちに終了しました。
今年も平日にもかかわらず、多くの方にご参加いただきました。
皆さま、ご参加いただきありがとうございました。
2025年度もどうぞよろしくお願いいたします!
4月25日(金)、26(土)に開催される「中間支援組織人材学校『春の集中講義』」(主催:中国 5 県中間支援組織連絡協議会、中国 5 県休眠預金等活用コンソーシアム、EPO ちゅうごく・中国地方 ESD センター)に、JVOADが登壇します。
※JVOADは4月25日(金)の1日目に登壇します。
※本講義は、JVOADも協力しています。
講義は同時間帯に2〜3のユニットに分かれて行われます。JVOADは、研修初日の「ユニットA」にて、事務局長の明城が災害中間支援組織の現状と今後の可能性をテーマに講師を務めます。そのほかにも、災害支援に限らず、まちづくり目線での教育へのアプローチや、NPOで働く人を支える取り組みなど、多彩な内容の講義が行われます。
本講義は、NPO、行政、企業などの関係者にも広くご参加いただけます。皆様のご参加をお待ちしております!
講義概要
日時
4月25日(金)13:30~17:30(交流会 18:00~20:00)
4月26日(土)9:30~16:30
会場
4月25日(金)ハッシュタグ岡山(岡山市北区北長瀬表町 2-17-80 BRANCH 岡山北長瀬 内)
4月26日(土)みはらし会議室(岡山市北区北長瀬表町2-17-20 北長瀬未来ふれあい総合公園)
プログラム
詳細はこちらから開催要項をダウンロードできます。
定員
各ユニット先着20名(Dのみ60名)
参加費
1ユニットにつき5,000円
※当日、現金にてお支払いいただきます。
参加申込方法
以下の申込フォームよりお申込みください。
申込フォーム
※申込締切:2025年4月20日(日)21:00まで
1月28日、福岡県で災害支援ふくおか広域ネットワーク(Fネット)とJVOADの共催による「三者連携の訓練」を実施しました。
JVOADは令和5年度から、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の助成を受け、「災害時の官民連携を検証・改善するための訓練プログラム開発事業」を進めています。
本事業は、災害発生時に支援者が連携し、それぞれの役割を認識し、具体的な対応を想定できるようにすることを目的としています。都道府県域や全国域の災害訓練への活用を目指し、今年度は千葉県と福岡県をモデル地域として実施しました。
訓練当日は、Fネット、福岡県(社会活動推進課)、福岡県社会福祉協議会(地域福祉課・災害福祉支援センター)の方々がプレイヤーとして参加し、日本大学危機管理学部の先生が訓練統括を担当しました。
また、先行実施した千葉県の災害支援ネットワークちば(CVOAD)のメンバーが運営サポートとして参加し、訓練プログラム検討会メンバー4名が評価者として立ち会いました。
今回は、福岡県北西部を震源とするM7.2の地震が発生し、甚大な被害が生じた状況を想定しました。訓練では、発災3日目、1週間後、1ヵ月後の各フェーズにおける被害と支援の状況(量的・質的)をシミュレーションしました。
特に、高齢者、障がい児者、子どもなど配慮が必要な方々の課題に加え、都市部で想定される災害、インフラ復旧の遅延、感染症のリスクなど、多様なテーマについて情報が付与されました。
訓練後の振り返りでは、以下のような意見が挙がりました。
また、アンケート結果から、以下の点が明らかになりました。
今後、この訓練の成果をもとに、さらなる官民連携の強化や訓練プログラムの改善を進めていきます。
令和7年度は、本年度の訓練で得られた反省点を踏まえ、改善版の訓練を2地域で実施する予定です。その後も、各地で活用してもらえるよう周知を進めていく計画です。これにより、平時からより実践的な三者連携の強化を図ることを目指します。