福岡県で三者連携の訓練を実施しました
1月28日、福岡県で災害支援ふくおか広域ネットワーク(Fネット)とJVOADの共催による「三者連携の訓練」を実施しました。
JVOADは令和5年度から、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の助成を受け、「災害時の官民連携を検証・改善するための訓練プログラム開発事業」を進めています。
本事業は、災害発生時に支援者が連携し、それぞれの役割を認識し、具体的な対応を想定できるようにすることを目的としています。都道府県域や全国域の災害訓練への活用を目指し、今年度は千葉県と福岡県をモデル地域として実施しました。
訓練当日は、Fネット、福岡県(社会活動推進課)、福岡県社会福祉協議会(地域福祉課・災害福祉支援センター)の方々がプレイヤーとして参加し、日本大学危機管理学部の先生が訓練統括を担当しました。
また、先行実施した千葉県の災害支援ネットワークちば(CVOAD)のメンバーが運営サポートとして参加し、訓練プログラム検討会メンバー4名が評価者として立ち会いました。
今回は、福岡県北西部を震源とするM7.2の地震が発生し、甚大な被害が生じた状況を想定しました。訓練では、発災3日目、1週間後、1ヵ月後の各フェーズにおける被害と支援の状況(量的・質的)をシミュレーションしました。
特に、高齢者、障がい児者、子どもなど配慮が必要な方々の課題に加え、都市部で想定される災害、インフラ復旧の遅延、感染症のリスクなど、多様なテーマについて情報が付与されました。
訓練の成果と課題
訓練後の振り返りでは、以下のような意見が挙がりました。
- 「経験したことのない課題が挙がると、解決の糸口が見つからず、思考が止まってしまうことがある」
- 「役割分担や優先順位の事前設定が重要であり、三者とも共有すべき事項を平時から確認しておく必要があると再認識した」
また、アンケート結果から、以下の点が明らかになりました。
- 発災時に寄せられる情報を処理・分析し、課題を抽出するシミュレーションができ、具体的な対応イメージを持つことができた。
- 県の災害対応は複数の部署にまたがるため、事前に訓練概要を共有し、適切な関係者が参加できるようにする必要がある。
- 訓練の時間配分がタイトであり、事前の資料提供があれば、より効果的な訓練ができた可能性がある。
- ワークショップで得た知識や関係性が、訓練本番での連携に大きく寄与した。
今後、この訓練の成果をもとに、さらなる官民連携の強化や訓練プログラムの改善を進めていきます。
今後の訓練予定
令和7年度は、本年度の訓練で得られた反省点を踏まえ、改善版の訓練を2地域で実施する予定です。その後も、各地で活用してもらえるよう周知を進めていく計画です。これにより、平時からより実践的な三者連携の強化を図ることを目指します。