発災から3か月:令和4年福島県地震の現状と支援状況について
3月16日に発生した、福島県沖を震源とする震度6強の地震から、3か月が経ちました。
支援団体による家屋の応急処置の支援についても引き続き行われておりますが、生活再建にかかる支援ニーズへの対応など、現地における支援活動も転換期を迎えております。
JVOADは、現地の状況確認や支援関係者との情報共有、相談事への対応など、オンラインでのサポートや、出張ベースでの訪問を通じて、継続して行っております。
■ 屋根対応・重機対応等における支援
1.被災した屋根の応急処置(ブルーシート展張)の支援を行っている団体は、これまでに約378棟の対応を行ってきました。また、コロナ禍での活動は、住民の方への感染対策に関する配慮も支援者側にとって、とても大切なことです。JVOADは、現地から相談を受け、会員である日本青年会議所にサポートいただき、現地の支援団体向けに、抗原検査キット950個をお届けしました。
2. ブルーシート展張講習会の開催
地域への支援の担い手を増やすため、福島県/福島県耐震化・リフォーム等推進協議会主催の「ブルーシート展張講習会」が、6月に計4回(福島市、郡山市、いわき市、南相馬市)開催されました。震災がつなぐ全国ネットワークとJVOADも講師陣の派遣や、周知等の協力を行いました。合計48名ほどの方が参加され、長持ちするブルーシートの張り方や、安全管理等について学ぶ機会となりました。
■生活支援ニーズに対する支援活動
南相馬市では6月より、被災された方々が気軽に集まれる場づくりとして、サロン活動が始まりました。交流する場所として、地域の方の活力となること、また困りごとについても今後相談にのれる場所として期待されています。他の地域においても、今後の生活支援について、地元の団体を中心に支援の動きが出てきています。
《 今後の課題とJVOADの取り組み 》
■ 技術を持った担い手をふやすこと
今後も続く支援にそなえること、また、地域での担い手を増やすために、地域行政や社協、地元団体からのご相談に応じて、技術的なノウハウや講習会の実施での協力を行います。
■ 今後の支援と次の災害にそなえて
生活再建にかかる支援は、今後、地元の団体を中心に続きます。JVOADは、これまでの支援経験を活かし、引き続き地元団体と情報交換しながら、必要に応じた支援をつなげ、被災された方がたに寄り添う地元団体のサポートを行ってまいります。
また、今回の地震は、被害の見えづらい災害であること、また県全体を俯瞰してみることが難しかったことから、県域団体からも、今後の災害に向けて、支援の「もれ・むら」のない支援調整の仕組み作りに関する声が上がり始めています。地域にあった支援調整とはどのようなものか、また、支援者を支えるために何が必要か、引き続き、関連組織や内閣府、地域の支援団体等と連携しながら、話し合いを進めていきます。
豪雨や台風の時期も近づいてまいります。
地震によって被害を受けた家屋への水被害などの影響も心配です。支援がより迅速に届くよう、地元の声に耳を傾けながら、地域にあった支援体制の仕組み作りにむけて協議してまいります。